平成29年1月20日(10:50より)2号棟401教室で、山本教授の最終講義が行われた。
山本教授は参集した学生、卒業生、教職員を前にして約1時間に渡って自らの学究
としての足跡を2点に集約して語られた。
一つ目は研究者への道に進まれた経緯と家族親族研究という方向に研究の報告を
定められた経緯についてのお話である。1960年代末の大学闘争最中の時代に大学
生活を始められ、運動に参加しながらも政治と日常生活のギャップに悩まれたこと、
そのことが学問の世界に入って行かれた契機であったこと、さらに学問の恩師である
松本通晴先生や本学部の先輩でもある鈴木俊道先生らの名を挙げられながら、当時
の調査エピソードを交えながら、農村社会学から同族研究へと導かれて行き現在に至
る経緯を語られた。
二つ目は本学に就任後に引き受けられた家裁の調停委員としての活動経験につい
てのお話である。家裁での調停経験では学問的研究では知り得ない現実の家族関係
の様相をつきつけられたこと、そのことが自分の現在の研究に大きな影響を与えてい
ることを語られた。最後に、この家裁での経験を授業を通して学生に伝えたいという思
いでこれまで授業に臨まれてきたことを語られて講義を終えられた。
最後に人間関係学科主任の吉田あけみ教授および卒業生より、花束が贈られた。
懐かしい卒業生の顔も見られ、山本教授の人柄にふさわしい和気あいあいとした最終
講義であった。進行役は本学部の田村が担当した。
(文責:人間関係学部教授 田村雅夫)