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ニュージーランド先住民マオリの現在

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昨年3月、大学院を修了した神山歩未さん(名大大学院博士課程在学中)から、ニュージーランドはオークランドからのレポートが届きました。本人の許可を得て転載しておきます。

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現在、ニュージーランドのオークランド市で、マオリのコミュニティに参加させてもらい、かれらの日常の様子や知識をどんどん吸収しようとしています。

もともとマオリは、それぞれの地方で親族集団のコミュニティをつくっていました。そのコミュニティの成員は、誰でも、共通の先祖まで辿ることができます。そのことがコミュニティの一人ひとりを強く繋げていたのです。

しかし、イギリス人が入植し、ニュージーランドはイギリスの植民地になります。その結果、マオリは仕事などをもとめて、今までいた土地から都市部へと急速に移ってきました。現在では、マオリの多くがオークランドのような都市部に住んでいます。都市で生まれ育ったマオリには、自分の祖先がどこの地方の出身なのかを知らないマオリもいるのです。

そんな彼らも、都市のマオリどうしで新たなコミュニティを形成しようとしています。現在、私が加えてもらっているコミュニティも、そんな都市のマオリによって作られたコミュニティのひとつなのですです。

このコミュニティでは、次の世代へとマオリの知識をつたえようと頑張っています。知識を伝えるのは、コミュニティの創設に携わったお年寄りのマオリです。ここで伝えられるマオリの知識とは、マオリ語をはじめ、マオリの歌、麻の織物の制作方法、儀式の行ない方などです。

一度、正式に受け入れの儀式を受けた私は、コミュニティの一員として、日々、マオリの日常や知識を学んでいるところです。先日は、コミュニティの小さな集会に参加しました。会合では、一人ずつ立ってスピーチをします。スピーチでは、だれもが、学んだマオリ語を披露していました。そして、スピーチが終わると、皆でマオリ語の歌を歌ってスピーチした人をサポートします。

今週末にも、再び集会が行なわれます。今度の集会では、スピーチで今まで学んだマオリ語を少しだけ披露できるといいなと考えているところです。思ってください。マオリ語は、植民地化の過程で、一度は失われそうになったのです。マオリの人々は、自らの言葉を再び学び直し、自分たちのものとしようとしているのです。

言葉だけではありません。私が今参加させてもらっているコミュニティでも団結のシンボルとしてのマラエ(集会所)をたて、壁面を彫刻で飾り、マオリらしい装飾で飾ろうとしています。わたしは、そうした彼らの活動に焦点を当てて、彼らの現在を理解したいと思っています。

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